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中国、軍医師団を北朝鮮に派遣 新型コロナ対応支援か


中国共産党が23日までに北京市の人民解放軍総医院(301病院)から医療専門家チーム約50人を北朝鮮に派遣したことが分かった。25日、党関係者が明らかにした。健康悪化説が出ている金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との関連は不明だが、両国が新型コロナウイルス対応で協力態勢をとった可能性もある。

301病院は中国最高レベルの医療機関とされ、中国共産党の歴代指導者の治療や健康管理を担ってきたことで知られる。

共産党関係者によると、医療チームは党の外交部門で中朝外交の軸を担う党対外連絡部トップの宋濤・部長が率いる形で北朝鮮に入った。メンバーも、党が同病院の医師や研究者らから選抜したという。

正恩氏は11日から動静が途絶えており、健康悪化説が一部海外メディアで出るなどした。

50人規模の医療チームの派遣は正恩氏個人への対応としては過剰であり、新型コロナ対応をめぐるより幅広い支援が目的との見方もある。

正恩氏について、北京の中朝関係筋は「北朝鮮側から『騒がれているような状況はない』との説明があった」と話す。北京では23日、ロシア大使から北朝鮮大使館へ花かごが送られ、正恩氏への見舞いとの観測も出たが、北朝鮮の労働新聞は「正恩氏の訪ロ1周年を記念したものだ」と伝えた。

朝鮮中央通信によると11日から平壌で開かれた党中央委員会政治局会議では、「(新型コロナ)ウイルス感染の危険が短期間に解消されることは不可能で、我々の前進にも障害を来す条件になり得る」との認識が示されたという。

北朝鮮は国内感染者を一人も報告していないが、中朝国境に近い地域での感染拡大もうわさされている。中国が医療チームの派遣を通して、北朝鮮の具体的な状況把握を狙った可能性もある。(北京=冨名腰隆)

原文出處 朝日新聞