新型コロナウイルスに感染後、精子が減ったという報告が海外で相次いでいる。抜け毛や嗅覚(きゅうかく)障害など、新型コロナのさまざまな後遺症の実態が明らかになっているが、男性不妊の原因にもなり得るのか。
感染者の4人に1人が無精子症に
新型コロナから回復した43人のうち、4分の1にあたる11人が、精液中に精子がない無精子症や精子が少ない乏精子症だった――。
イタリアの研究チームは3月、新型コロナに感染した男性の精子の状態を調べ、論文で発表した(https://academic.oup.com/humrep/advance-article/doi/10.1093/humrep/deab026/6125160)。チームは研究の対象者は少ないが、新型コロナが精子を減らす恐れがあると指摘。感染した場合は「生殖機能について注意深く経過観察を受けるべきだ」とした。
ドイツの研究チームも1月、新型コロナに感染して回復した84人と、同年代の健康な105人の精液を60日間、10日間隔で調べた。感染者は健康な人に比べ、精子に悪影響を与える炎症や酸化ストレスを示す数値が有意に高かった。(https://rep.bioscientifica.com/view/journals/rep/161/3/REP-20-0382.xml)
原文出處 朝日新聞