日本などアジア大洋州の19カ国・地域の医師会で構成される国際組織、アジア大洋州医師会連合(CMAAO)が2日、台北市内のホテルで年次総会を開き、台湾の与党、民主進歩党に所属する立法委員(国会議員に相当)で医師の邱泰源氏を新会長に選出した。
これまでも台湾出身者がCMAAO会長に選ばれたことはあるが、台湾の民進党政権下で与党政治家が会長に就任したのは初めて。台湾の関係者からは、世界保健機関(WHO)への加盟問題などで台湾の国際的発言力が高まることを期待する声が出ている。
CMAAOは1956年、日本医師会が中心となり、医師の交流促進や保健水準の向上を目指して設立された国際組織。韓国やオーストラリア、香港などの医師会が参加している。関係者によると、90年代から中国をメンバーとして受け入れることが検討されてきたが、中国は台湾医師会の名称を「中華台北医師会」に改めるように強く要求し、調整がつかなかった。
2日の総会に来賓として出席した台湾の蔡英文総統は「邱氏の会長就任が台湾のさらなる国際貢献につながることを期待する。私たちは全力でバックアップする」とあいさつした。
台湾はWHOに非加盟で、蔡政権発足後の2017年からは中国の反対により、WHO年次総会へのオブザーバー参加も認められていない。台湾は新型コロナウイルス対策の「優等生」として知られ、その知見を国際社会で共有する必要性が指摘されてきた。
台湾医師会の羅浚晅副秘書長は「近年、国際社会での台湾の存在感は高まっており、WHO加盟問題で台湾を支持する輪も広がっている。CMAAOを舞台に台湾の声を積極的に発信していきたい」と話す。
原文出處 產經新聞