ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は26日にビデオ演説し、黒海経由のウクライナ産穀物の輸出量が「100万トンを突破した」と明らかにした。目標とする月量300万トンの輸出達成に意欲を示した。
ゼレンスキー氏は演説で、今月1日の輸出再開から1か月足らずで、44隻の貨物船が穀物を15か国に輸送したと説明し、輸出が順調に行われていることを強調した。
ウクライナ軍参謀本部は27日、露軍が黒海沖に艦艇を展開し、海上封鎖を続けていることを指摘している。ただ、穀物の輸送経路を妨害した事例は伝えられていない。
ゼレンスキー氏は演説で、露軍が占拠する南部ザポリージャ原発にも触れた。同原発は25日、原子炉の稼働に必要な送電線が一時遮断される被害を受けた。ゼレンスキー氏は「最悪のシナリオは回避された」との認識を示したが、「危険な状況は続いている」とも述べ、国際原子力機関(IAEA)による現地調査の早期実施を訴えた。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は26日付の仏紙ル・モンドとのインタビューで、原発にIAEA専門家を常駐させることを目指す考えを示した。
原文出處 讀賣新聞