ロシア政府によると、プーチン露大統領は29日、ウクライナ南部ヘルソン、ザポリージャ両州のウクライナからの独立を一方的に承認する大統領令に署名した。プーチン氏は30日、ウクライナ東部ドネツク、ルハンスク両州を含めた4州の親露派支配地域をロシアに併合する「条約」に調印する見通しだ。これに対し、米国のバイデン大統領や国連のアントニオ・グテレス事務総長は強く非難した。
プーチン政権は、親露派勢力がロシアへの併合のため23~27日に4州で強行した「住民投票」では「併合支持」がいずれも80~90%台に達し、支持が多数だったと主張している。これを受け、南部2州の独立を承認した上で、ロシアへの併合を強行する方針だ。東部2州の親露派は既に独立を宣言し、プーチン政権は今年2月のウクライナ侵略直前に独立を一方的に認めていた。
調印式は30日午後3時(日本時間30日午後9時)からモスクワの大統領府で行われ、プーチン氏や既にモスクワ入りしている4州の親露派トップが出席する。上下両院の議員らを招き、プーチン氏は演説を行う予定だ。この日は大統領府付近で祝賀集会も計画され、特設ステージの設営が進んでいる。
ロシアがウクライナ領土を併合するのは、2014年のクリミア以来となる。
原文出處 讀賣新聞