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ロシア軍の「報復」続く、連日のミサイル攻撃…ウクライナほぼ全土で空襲警報


ウクライナ軍参謀本部などによると、ロシア軍は10日、ウクライナの首都キーウなど全土の20か所以上に80発以上のミサイル攻撃や無人機による空爆を行った。11日も西部リビウなどに28発を発射した。プーチン露大統領は、「クリミア大橋」で8日に起きた爆発への「報復」と主張している。

反転攻勢を強めるウクライナ軍に対し、劣勢の露軍が対抗措置を示したもので、戦闘激化で民間人の犠牲者が増加する恐れがある。

露国防省は11日、「高精度の長距離兵器」を使用し、ウクライナ国内のエネルギーや軍事関連の施設への攻撃を続行したと発表した。ウクライナでは11日朝からほぼ全土で空襲警報が作動。西部リビウの市長は11日、露軍のミサイル攻撃の影響で市内の約30%が停電していると明らかにした。南部ザポリージャでも集合住宅などが標的になった。

ウクライナ空軍によると、11日に露軍が発射した28発のうち20発を迎撃し、無人機13機を破壊したという。キーウ市長は地元テレビで、露軍がキーウ方面に発射したミサイル数発は迎撃されたと説明した。

ウクライナ大統領府によると、露軍の10日の攻撃では、少なくとも23人が死亡し、100人が負傷した。

今年6月下旬以来となるミサイル攻撃に見舞われたキーウでは、市当局などによると、10日だけで市内4地区にミサイルが着弾し、集合住宅45棟、教育関連施設6棟など計約70棟が損壊した。

プーチン氏は10日の安全保障会議で、クリミア大橋の爆発が「ウクライナの情報機関によるテロ行為だ」と指摘し、報復開始を宣言。「我々の領土へのテロ攻撃を継続すれば、ロシアの反応は自国への脅威のレベルに応じて厳しくなる」とも述べ、攻撃激化を警告した。

米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報調整官は10日、米CNNに対し、ロシアが、クリミア大橋の爆発が起きる前から今回の攻撃を準備していたとの見方を示した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日のビデオ演説で、「ウクライナを脅すことはできない」と述べ、露軍に屈しない考えを強調した。

原文出處 讀賣新聞