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露、米無人機回収に意欲 機密・技術取得狙う


ウクライナに面する黒海上空で米軍の無人偵察機「MQ9」とロシア軍の戦闘機「スホイ27」が衝突して落下したとされる問題で、ロシアがMQ9の回収に意欲を示している。ロシアは機体を解析して米軍の機密情報や技術を獲得し、米国より遅れている自国の無人機開発などに活用する思惑だとみられ、ロシアによる回収を防ごうとする米国との緊張が高まる恐れが強い。

露国家安全保障会議のパトルシェフ書記は15日、露国営テレビのインタビューで「可能かどうかは分からないが、ロシアは必ずMQ9の回収を試みる必要がある」と指摘。露対外情報庁(SVR)のナルイシキン長官も15日、ロシアには機体回収と解析のための「技術的能力がある」と主張した。タス通信が伝えた。

MQ9には高度な技術が使われており、ロシアに回収された場合、技術や機密が漏洩(ろうえい)する恐れが指摘されている。米国は落下を受け、MQ9のソフトウエア消去などの対策を取ったとされるものの、機体自体の回収は困難だとの見方も出ている。

MQ9の落下は14日に発生。米国は国際空域で通常の偵察活動を行っていたMQ9に露軍機が衝突するなどし、機体が損傷したため落下させたと説明。危険な行為だとしてロシアを非難した。一方のロシアは、ウクライナでの軍事作戦に使用していることを各国に通知していた空域にMQ9が無断で侵入したため迎撃機を発進させたが、衝突はなかったと主張している。

原文出處 產經新聞