台湾の呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は26日午前9時半(日本時間同10時半)すぎから、台北の外交部で記者会見し、中米ホンジュラスが中国との国交樹立交渉を行っているため、ホンジュラスとの外交関係を「即日、終了する」と宣言した。
これで台湾と外交関係がある国は13カ国となった。2016年5月に中国が「台湾独立」勢力とみなす民主進歩党の蔡英文政権が発足して以降、台湾と外交関係がある国は22カ国から9カ国減った。
呉氏は、ホンジュラス政府が病院建設費用や対外債務の返済費用などとして24億ドル(約3100億円)超の援助を要求したと明らかにした上で、中国と台湾の援助計画を「比較した」と指摘。ホンジュラス政府が台湾の「長年の協力と情義を忘れた」として「遺憾」を表明した。
中国との国交樹立交渉が、蔡氏が29日から予定する中米2カ国訪問と米国立ち寄りの時期と重なっていることには「中国が意図的に行っている」との見方を示した。
呉氏の会見に先立つ日本時間同日午前9時、ホンジュラス外務省がツイッターに台湾との断交に関する声明文を投稿。中国国営新華社通信は呉氏の会見直前に、「ホンジュラス外務省が現地時間25日午後に台湾と〝外交関係〟の断絶を宣言する声明を出した」と速報で伝えた。
ホンジュラスは、大統領選で中国との国交樹立を掲げたカストロ氏が22年1月に就任。カストロ氏は今月14日、レイナ外相に中国との国交樹立交渉を指示していた。
原文出處 產經新聞