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高安が迷わず、慌てず「落ち着いていく…」勢いに乗るウクライナ出身の新星・安青錦をぶん投げた


<大相撲名古屋場所>◇6日目◇18日◇IGアリーナ

番付崩壊は許さない。大関経験者で幕内3番目の年長者、小結高安(35=田子ノ浦)が、勢いに乗るウクライナ出身の新星をぶん投げ、1敗を守った。初顔合わせの東前頭筆頭安青錦を上手投げ。相手得意の内無双をこらえ、取組前まで全て関脇以上を相手に4勝1敗だった、成長著しい21歳の壁になった。優勝争いで単独トップに立った前頭御嶽海とは1差。今度こそ悲願の初優勝をつかみ取る。

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迷わない、そして慌てない。高安はそれだけを心の中で唱え、稽古で胸を出した経験もない未知の力士、安青錦を迎え撃った。立ち合いは左のかち上げ。そこから突いて出て、相手得意の低い体勢に組まれないことに徹した。「体は大きくないけど、腕の力が相当強いことにビックリした」。突き放そうとしても突き返され、瞬時に低く組みつかれた。警戒していた体勢。だが慌てない。横綱豊昇龍も破った内無双に体を泳がされてもこらえ、最後は肩越しに上手がかかると、即座にぶん投げて仕留めた。

「若手というのは勢い任せに『当たって砕けろ』という気持ちでくる。こっちは落ち着いていくのが1番いい」。平成生まれ初の関取となったのが15年前。安青錦がまだ6歳の時だ。高安が初土俵を踏んだ時、安青錦は1歳にもなっていなかった。取組後に、その事実を認識すると、笑うしかなかった。この日の朝稽古後も「壁になるとか、そんな余裕ない」と話しつつ、表情は余裕。伸び盛りの若手との対戦が楽しそうだ。

今場所は奇跡的な小結残留。先場所は6勝ながら翌場所も小結を務めたのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降で初だった。一部ファンからは、先場所11勝の安青錦を小結に上げた方がいいとの声もあったが、この日の白星で番付通りの力を示した。三役に残ったことを「運がいい。ここを起点にしたい」と語った。陥落から5年半が経過したが目標は大関復帰。2桁白星を挙げて大関復帰の足がかりにするつもりだ。

「春場所よりも今の方がいい」と、肉体面も充実している。春場所は優勝決定戦で大の里に敗れた。千秋楽で優勝を逃したのは8度目。それでも「今が一番強い」と自任する。大関復帰と初優勝。35歳はまだ夢の途中にいる。

原文出處 nikkansports