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矢板明夫 : 香港人の海外移住止まらず 政府の人材誘致計画で進む〝中国化〟

香港国家安全維持法(国安法)が施行されて30日で3年。香港の厳格な新型コロナウイルス対策に加え、国安法によって言論の自由などが失われたことや、愛国教育が加速する学校で子弟を学ばせることを嫌う富裕層の海外移住が止まらず、人材流出が続いている。

香港当局は人材誘致計画を打ち出したものの、中国本土から希望者が殺到。〝香港の中国化〟が一層進む結果となっている。

香港からの報道によると、直近の3年間で労働人口は約18万人減少したとされる。香港の経済団体、香港総商会が今月初めに発表した調査結果でも、74%の香港企業が人材不足に直面し、そのうち約7割が理由として「社員の海外移住」を挙げている。

香港政府は昨年末、人材誘致計画を発表。高学歴保持者や、研究分野で一定の成果を出した人などを対象に「ビザ(査証)発行の手続き簡易化」などの優遇策を打ち出した。しかし香港紙、明報によると、2月までに申請が認可された8797件のうち、中国本土からが8325件と95%を占めた。欧米日からの応募はほとんどなかったという。

台湾在住の香港出身の人権派弁護士、桑普氏は「自由のない街に人材が集まる訳がない」と話している。

原文出處 產經新聞