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「我々は第2波に」欧州が陥った悪循環 経済優先が裏目


欧州各国で新型コロナウイルスの感染爆発の第2波が起きている。フランスなどでは1日の感染者数が春の流行時を大きく超えている。欧州全体での1日の感染者は14日に約10万5千人に上り、アジアを上回って米州に迫っている。経済復興を優先し、行動規制を大幅に緩めてきたためだ。感染拡大を防ぎきれず、経済も回復しない悪循環に陥っている。

「我々は第2波の中にいる」

フランスのマクロン大統領は14日、テレビ番組のインタビューで初めて「第2波」と明言した。1日の感染者数は今月、過去最多の約2万7千人に達し、連日100人以上が亡くなっている。国の基準で「最大警戒区域」に分類されているパリでは検査の陽性率が17%に達し、爆発的に感染が広がっている。専門家はパリ首都圏の集中治療病床は月末までにほぼ埋まると指摘している。

マクロン氏は春の第1波との違いとして、当時は感染地域がパリと仏東部に限られていたが、いまは「ウイルスは全土にある」と警告。17日からパリやマルセイユ、リヨンなど9の都市圏で夜間の外出を禁じる措置に踏み切った。感染が広がりやすいと指摘されてきた飲食店の営業を制限する狙いだ。午後9時~翌午前6時の間に外出をして違反すれば、135ユーロ(約1万7千円)の罰金を科す。

仏、3カ月ぶりの緊急事態宣言に追い込まれる

一方でマクロン氏は「経済活動を続け、学校を開き、全ての市民が通常通り働き続けられるようにする」と強調した。既に疲弊した経済への影響を最小限にとどめようとしている。都市間の移動は制限せず、可能な限り市民生活を続けるよう促した。フランスは3月に課した外出禁止令を5月に緩和。7月には衛生緊急事態宣言を解除して経済の本格再開を目指したが、今月14日、3カ月ぶりの再宣言に追い込まれた。

原文出處 朝日新聞